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【麻酔科の参考書】研修医におすすめの本を現役麻酔科医が場面別に紹介

麻酔科の参考書としてローテ前に読む2冊と段階ごとの本の選び方を示すアイキャッチ画像 ローテ前の準備

麻酔科のローテートが近づいて、書店の麻酔科の棚を眺めてみた。分厚い教科書から小さなマニュアルまで並んでいて、どれが自分に合うのか分からない。先輩に聞くと、人によって勧める本が違う。参考書選びは、多くの研修医が一度は迷うところです。

こんな迷いはありませんか
  • 何冊そろえればよいか分からない
  • 通読する本と調べる本の違いが分からない
  • 小児や産科の本はいつ必要か知りたい
  • 実際に使われている本を知りたい

この記事で紹介するのは、筆者が実際に読んで、手術室や病棟で使ってきた本だけです。それぞれ、どんな場面で役に立ったかもあわせて書きます。

参考書選びに迷う研修医のアイコン
研修医

麻酔科の本がたくさん並んでいて、どれを買えばいいのか分かりません。

現役麻酔科医のアイコン
麻酔科医

ローテの間に読むなら、まずは2冊から始めてみてください。分野ごとの本は、その分野を回るときに選べば大丈夫ですよ。

この記事では、参考書の選び方、ローテ前に読む2冊、どの科でも役に立つ血液ガスの本、そして小児麻酔・産科麻酔・神経ブロック・ICU管理の分野別の本を順に紹介します。

研修医の参考書の選び方

研修医の参考書の選び方を表すバナー画像

麻酔科の参考書は、目的によって大きく3つに分けられます。全体を学ぶための通読用、手術室でその場で調べるための本、そして小児や産科などの分野ごとの本です。最初から全部をそろえる必要はありません。いま自分がどの段階にいるかで、手に取る本は変わります。まずは選び方の考え方から整理します。

通読用と調べもの用を分ける

通読用の本は、麻酔科学を体系的に学ぶためのものです。分厚く、手術室に持ち込むのには向きません。

調べもの用の本は、要点が整理されていて持ち運びやすく、疑問が出たその場で開けます。1冊ですべてをまかなおうとせず、役割の違う2冊を組み合わせます。

分野の本は回るときに選ぶ

小児麻酔や産科麻酔、神経ブロックなどの本は、内容が専門的です。初期研修のローテートだけなら、まだ必要ありません。

  • 麻酔科に進むと決めたとき
  • 小児や産科の麻酔を担当するとき
  • 神経ブロックを始めるとき

こうした場面が来てから選んでも十分に間に合います。分野の本は、その分野に出会ってから買うほうが記憶に残ります。

実際に使われている本を選ぶ

本の評判は、読む人の立場によって変わります。専門医向けの名著が、研修医にとって読みやすいとはかぎりません。

迷ったときは、ローテート先の上級医が実際に使っている本を聞いてみてください。同じ本を使っていると、上級医の説明も理解しやすくなります。

ローテ前に読む2冊

麻酔科ローテ前に読む2冊を表すバナー画像

初期研修の麻酔科ローテートで読むなら、筆者は通読用と調べもの用の2冊を勧めています。この2冊は、【麻酔科研修医のホントのところ】ローテ前の準備と評価される動き方でも紹介しました。ここでは、それぞれをどう使うかを詳しく書きます。ローテの前に手元に置くなら、この2冊から始めてください。

通読用の標準麻酔科学

「標準麻酔科学」は、麻酔科学を体系的に学べる定番の教科書です。記載時点では第7版が最新です。

麻酔薬や気道管理だけでなく、呼吸生理や循環生理も収載されています。読み進めるうちに、学生時代の生理学の復習まで済ませられます。全部を通読しようとせず、ローテ中に出会った分野の章から読むのがおすすめです。

調べもの用の麻酔科研修チェックノート

「麻酔科研修チェックノート」は、研修医向けに要点が整理された1冊です。記載時点では改訂第8版が最新です。

持ち運びやすい判型で、電子版も選べます。手術室で疑問が出たとき、その場で開ける本が1冊あると心強いものです。

先に買うなら調べもの用

2冊を同時にそろえる必要はありません。先に手元に置くなら、調べもの用の1冊からがおすすめです。

分厚い通読用の本は、疑問が生まれてから該当する章を開くほうが記憶に残ります。調べもの用で疑問を見つけて、通読用で深めるという順番が効率的です。

どの科でも役に立つ血液ガスの本

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麻酔科の本ではありませんが、研修医によく勧めている本があります。血液ガスの読み方を扱った「竜馬先生の血液ガス白熱講義」のシリーズです。血液ガスは、手術室でも救急外来でも病棟でも出会います。どの科に進んでも使う知識なので、研修医のうちに一度は読んでおいてほしい本です。

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

1冊目の「竜馬先生の血液ガス白熱講義150分」は、人気のセミナーを書籍化したもので、呼吸の評価と酸塩基平衡の2つを扱っています。

講義を聞いているような語り口で、血液ガスが苦手な人でも読み進めやすい本です。まずはこの1冊を読み切ることを目標にしてください。

続編の22問

続編の「帰ってきた竜馬先生の血液ガス白熱講義22問」は、1冊目の内容を踏まえて、一歩進んだ内容を問題形式で学ぶ本です。

1冊目で身につけた読み方を、実際の症例に当てはめる練習になります。1冊目を読み終えてから手に取ると、理解が深まります。

麻酔科で血液ガスを読む場面

麻酔中は、動脈ラインから血液ガスを測ることがよくあります。

  • 換気が足りているかを確かめる
  • 出血や輸血のあとに貧血や電解質を確かめる
  • 長時間の手術で酸塩基平衡を確かめる

数値を読めると、次に何をするかを自分で考えられるようになります。血液ガスが読めることは、麻酔科でも大きな武器になります。

小児麻酔と産科麻酔の参考書

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ここからは、麻酔科に進んでから、分野ごとに使ってきた本です。小児麻酔と産科麻酔は、成人の麻酔とは考え方が大きく違います。筆者も、小児や産科の麻酔を担当するようになってから、それぞれの本で勉強しました。初期研修のうちに全部そろえる必要はありません。小児や産科を回るときの参考にしてください。

臨床小児麻酔ハンドブック

「臨床小児麻酔ハンドブック」は、小児麻酔の勉強に使った1冊です。記載時点では改訂第4版が最新です。小児は体格も生理も成人と違い、薬の量や器具のサイズも年齢や体重で変わります。

ハンドブックという書名ですが、持ち運ぶには少し大きめの本です。手術室に持ち込むより、麻酔の準備をするときに開いて確かめるのに向いています。小児の麻酔を担当するときに、最初に手に取った本です。

小児麻酔のエッセンス

「小児麻酔のエッセンス 安全な麻酔をすべての子どもたちへ」も、小児麻酔の勉強に使った本です。小児麻酔の考え方の要点を学ぶのに役立ちました。

ハンドブックと組み合わせて使うと、手順と考え方の両方を押さえられます。小児麻酔は、なぜそうするのかを理解しておくと応用が利きます。

産科麻酔ポケットマニュアル

産科麻酔の本は2冊使いました。1冊目の「産科麻酔ポケットマニュアル」は、サイズが小さく、持ち運びやすいのが特徴です。記載時点では改訂版が最新です。

帝王切開の麻酔や無痛分娩など、産科麻酔の基本を手元で確かめられます。急いで準備する場面の多い産科では、ポケットに入る本が役に立ちます。

産科麻酔科学

2冊目の「産科麻酔科学」は、産科麻酔をしっかり勉強するための本です。

ポケットマニュアルで手順を確かめ、こちらで背景にある考え方を学ぶという使い分けをしていました。持ち運ぶ本と腰を据えて読む本を分ける考え方は、ローテ前の2冊と同じです。

神経ブロックとICUの参考書

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神経ブロックとICU管理も、麻酔科に進んでから出会う分野です。神経ブロックは手技なので、本で解剖や超音波の画像を予習してから臨むと理解が早まります。ICU管理は、手術室とは違う時間の流れで患者を診ることになります。どちらも、実際にその分野を担当するときに手に取ってください。

周術期超音波ガイド下神経ブロック

「周術期超音波ガイド下神経ブロック」(改訂第2版)は、神経ブロックの勉強に使った本の1冊です。神経ブロックの本は2冊使いましたが、筆者にはこちらのほうが読みやすく感じました。

神経ブロックを始めたばかりの時期なら、まずは読みやすい本から入るのがよいと思います。読みやすい本で基本をつかんでから、網羅的な本で広げます。神経ブロックの基本は【末梢神経ブロックとは】硬膜外麻酔と何が違いどんなときに選ぶのかで解説しました。

NYSORA神経ブロックマニュアル

もう1冊の「NYSORA 神経ブロックマニュアル」は、区域麻酔の情報を発信している海外の団体、NYSORAの本の日本語版です。

さまざまなブロックが網羅されているので、手技の全体像をつかむのに役立ちます。基本をつかんだあと、ブロックの種類を広く見渡したいときに開く本です。

ICU実践ハンドブック

「ICU実践ハンドブック」(改訂版)は、ICUでの管理を担当するために購入した本です。病態ごとに治療と管理の進め方が整理されています。

麻酔科医がICUを担当する施設もあり、手術室とは違う知識が求められます。ICUを担当することになったら、病態ごとに引ける本が1冊あると安心です。

麻酔科の参考書のよくある質問

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研修医からよく聞かれる質問をまとめました。参考書は人によって合う合わないがあるので、最終的には実際に手に取って選んでください。迷ったら、ローテ前の2冊から始めてみてください。

参考書は何冊あればよいですか

初期研修のローテートなら、まずは通読用と調べもの用の2冊があれば困らないと思います。分野別の本は、麻酔科に進んでから必要に応じて足していきます。

古い版の本でもよいですか

薬の使い方やガイドラインは改訂されていきます。薬の量や推奨を確かめる本は、できるだけ最新の版を使ってください。先輩から譲り受けた本は、版を確かめてから使いましょう。

紙の本と電子版はどちらがよいですか

手術室で調べるなら、持ち運びやすさが大切です。調べもの用の本は、電子版も選択肢になります。通読用の分厚い本は、紙で読むほうが進めやすい人も多いでしょう。

麻酔科に進まなくても読む価値はありますか

あります。気道管理や循環の管理、血液ガスの読み方は、どの科に進んでも使う知識です。とくに血液ガスの本は、どの科に進む研修医にも勧めています。

ローテ前にどこまで読めばよいですか

全部を読む必要はありません。全身麻酔の3要素と、よく使う薬の概要に目を通しておけば十分です。ローテ前の準備は、本を読み切ることより全体像をつかむことです。

小児や産科の本は研修医のうちに買うべきですか

初期研修のローテートだけなら、まだ必要ありません。小児や産科の麻酔を担当するときが、買うタイミングです。先に買っても、使う場面がないと読み進めにくいものです。

まとめ 麻酔科の参考書

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麻酔科の参考書は、通読用、調べもの用、分野別の3つに分けて考えると選びやすくなります。初期研修のローテートで読むなら、まずは通読用と調べもの用の2冊がおすすめです。血液ガスの本は、どの科でも役に立つので、早いうちに読んでおくことをおすすめします。小児・産科・神経ブロック・ICUの本は、その分野を担当するときに選んでください。

この記事の振り返り
  • 参考書は通読用と調べもの用を分ける
  • ローテ前に読むならまず2冊
  • 血液ガスの本はどの科でも役に立つ
  • 分野別の本は担当するときに選ぶ
  • 薬を確かめる本は最新の版を使う

まずは調べもの用の1冊を手元に置いて、ローテートを迎えてみてください。疑問が出たときにすぐ開ける本があるだけで、手術室での学びが変わります。

当ブログでは、麻酔科の現場で実際に行われていることを現役麻酔科医の視点で発信しています。ローテ前の準備は【麻酔科研修医のホントのところ】ローテ前の準備と評価される動き方に、全身麻酔の基本は【全身麻酔の3要素】1つ欠けると何が起きるのかを現役医師が解説にまとめました。疑問があればコメント欄で聞かせてください。

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